只今、縦書きでレンダリング中です。フォントなどダウンロードしています...
ゴートの縦書きブログサービスが終了したので、あれこれ考えてみる
残念ながら今日、1つのサービスが終了します。それは、KDDI ウェブコミュニケーションズが提供していた縦書きできるブログサービス「 g.o.a.t 」(※以下ゴートと表記)。2022年の5月31日、つまり今日がサービスの最終日となります。縦書きと写真を融合したブログを書いていく、新たな価値を生み出したサービスだったのですが、非常に残念です。
きっと愛用者は残念・無念であったでしょう。このサービスを使ってブログを書いていた人がどのくらいの人数いたのかは不明ですが、ここ以外、他の縦書きができるブログサービスというのは無いはずですので、途方に暮れているかもしれません。 そもそも、縦書きのブログの需要がどのくらいあったのか? ゴートの縦書きブログは何が良くて何が悪かったのか? そんな縦書きでブログを書くことを今回は考えてみたいなと思っています。
ゴートはどんな特徴があったのか?
自分はこのゴートというブログサービスを知ったのが、つい最近5月の始めごろでその頃にはもうすでに新規登録ができず、このサービスの真の良さを知ることは残念ながらできませんでした。外から見聞きできることや、自分が実際にそのブログを見て感じたことなど、感想を書いてみたいなと思います。
ゴートの特徴とは?
一 レスポンシブ対応である。つまりスマホでも縦書きで見れます。
二 写真と文章を融合して表現でき、美しい。
三 ブログの執筆・編集が縦書きで出来る。
四 写真と文字や空白のバランスが絶妙。
五 広告がなくてすっきり。
六 残念ですが、ブログなのにコメント機能がない。
七 残念その2。自分の記事を検索することができない。
八 縦書きのテーマが少なかった。
一つづつ考察してみましょう。
一 レスポンシブ対応である
レスポンシブ対応とは、つまり表示領域を縮めても常に最適な見え方で表示する技術のことです。パソコンであれば、広々と画面いっぱいに表示し、スマホであれば小さな表示領域に可読性を損ねることなく縦書き表示できることを指します。ゴートのレスポンシブ対応はリアルタイムで表示領域を拡大、縮小しても綺麗に表示できていました。
ちなみに、今見ている、このブログの縦書きは完全なレスポンシブ対応ではありません。しかし、表示領域を縮小・拡大した状態で再読み込みすれば、最適化された状態で縦書きできる仕組みです。利用上、特に問題はないのですが仕組みが違いますね。
二 写真と文章を融合して表現でき、美しい
ゴートの拘った点は、「 ビジュアルの美しさ」でしょう。まるで、雑誌の一ページを見ているよな感覚、これは写真と縦書きの文章のレイアウト配置の美しさから来るものだと自分は感じました。きっと、最初のデザイン設計でかなり時間をかけて拘ったのだと思います。
新聞や雑誌などは、文章が縦書きが標準です。しかし、スマホやパソコンで見るサービスは横書きが標準。これは単に技術が未発達だったからであって、日本語が持つ縦書きの印象は特別なものがあると思います。写真と融合することにより、たとえば旅行記を綴ればその印象は格別なものだと自分は感じました。
三 ブログの執筆・編集が縦書きで出来る
これは自分は実際に使ったことがないので、本当のところはわかりません。グーグル検索で使ったことがある人の感想や、公式ページでそのツールの絵を見たくらいです。縦書きの文章を縦書きで編集・執筆する。この当たり前のようなことが実際には難しいのです。例えば、ブログの代表格であるワードプレスの管理画面の投稿記事を執筆する画面では、横書きしかできません。
実際、今こうして書いている文章も横書きで書いていて、二画面あるモニターの片側で保存した記事を表示して縦書きに問題がないか確認しながら書いています。
四 写真と文字や空白のバランスが絶妙
これは、2番目に書いたことと多少かぶるのですが、デザインの良さです。優れたデザインは、写真の文字の余白部分に現れると思っていますが、まさにこのバランスが絶妙だなと思いました。専門のデザイナーが見れば、当ブログの縦書きは気持ち悪い空白部分があると思います。ゴートでは、これらのバランスが絶妙だったと思います。
五 広告がなくてすっきり
普通、無料で書けるブログサービスではなんらかの「広告」が入ります。しかし、ゴートではオフィシャル側が、この広告を余分ないらないものとして排除していたのです。広告がつかないブログは、プロのブロガーから見たら魅力がないものかもしれません。つまり、広告がなくてすっきりしていて最高! という意見もあれば、広告がないブログは運営・執筆していく価値がないと切り捨てる見方と両極端かもしれません。でも、WEB広告なんてものはいくらでもブロックできますし、個人的にはまったく意味のないものだという感覚が強いです。
評価したいのは、オフィシャルが広告は不必要なものと公言していた点が潔くて男前だなと思いました。
六 残念ですが、ブログなのにコメント機能がない
自分のブログも今はコメントを封印していますので、なんですが、ブログはコミュニケーションが発生する媒体でもあります。人によっては、共通の趣味・趣向の友好関係ができるコメント機能は非常に大切なものだと思います。
ゴートには、コメント機能がありませんでした。この点は、残念かなーと思っています。
七 残念その2。自分の記事を検索することができない
これは自分のブログをどのように扱うか、による考え方で残念かどうか決まる問題かもしれませんが、自分は検索機能は必須だと思っています。ある人が偶然、ブログに遊びに来てくれたとします。たまたま、その記事にはその人の欲する情報がなかった場合でも、もし検索機能があれば他のページの記事も見てくれたかもしれません。これは、ブログの案内人のような側面がある部分で個人的には超重要項目の一つです。ちなみに、当ブログでは、キーボードのスラッシュをタイプすると検索ウィンドウが表示されリアルタイムに検索する仕組みを実装しています。
八 縦書きのテーマが少なかった
どの執筆者のブログ記事を見ても、だいたい同じような見え方しかありませんでした。これは縦書き、横書きのテーマが少なかったのだと思います。縦書きで特化して言えば、2、3パターンしかなかったのではないでしょうか。
縦書きのレイアウト作成のテンプレート化は、それなりに大変だったのもしれません。しかし、数十種類くらいのバリエーションは有ってもよかったのではないかなと思います。人と同じってのは、縦書きでブログを書く拘りの強いユーザーであれば、イヤだったのではないかと思われます。
まとめ
・ゴートの縦書きは写真と融合していてデザインが綺麗だった
・レスポンシブ対応していて、スマホでも最適表示されていた
・しかし、ブログとしての基本機能、特にコメント機能が無かったのは残念
・また、自身のブログ内の検索機能も無かった
・テーマの少なさから、どのブログ記事も同じような見え方になっていた
あとがき
運営側もボランティアでは出来ませんから収益が出るビジネスモデルをなんとか考えていたのでしょう。例えば、小学館とか、新刊と連携していたりとか、ゴート・スタープログラムという執筆者のランク付のような仕組みがあったりとか、いろいろ試していたようにも見えます。サイト自体は無料なのですから、なんらかの金を生み出すビジネスモデルが必要だったと思うのですが、それをうまく構築できなかったのが、サービス終焉の大きな理由だと思います。
ワードプレスの本家のように、無料ユーザーと有料ユーザーという位置づけのビジネスモデルは考えなかったのでしょうか? いや、絶対考えていたと思います。しかし、無料ユーザーの総数のおよそ、数パーセントしか有料ユーザーになり得ないことなどから、逆算できるため、そのようなビジネスモデルは、成り立たないということがやる前からわかっていたんだろうと思います。
縦書きで、デザインに独自性をもたせ、コメント機能もあり、検索機能もある。そして自分のアドセンス広告やアフリエイト系の広告も貼れる。そして、絶対サーバがダウンせず、連続稼働保証もある。そんな縦書きのブログだったら、もしかして有料化しても支払ってくれたユーザーは居たのかもしれません。
あるいは、著名な職業ブロガーをアドバイザーとして、迎え入れて展開していれば、先のような問題点も早々に解決していたのかもしれませんね。
いつの日か、ゴートのデザインに寄せた縦書きのテーマも作ってみたいなと思っています。欲しいユーザーがいたら、メールやツイッターなどで応援メッセージお待ちしています。
最後に一句
縦書きの テーマ作りは ニッチかな